header_nikos
       
 
 
巨刺と互刺、その他
森しげ傳
 
 
 
2 0 1 7 年
 

<視界の端にキラリと光・・・・・・硝子体剥離?>

 一昨日の夜から、視界のはしに時々、光の筋が見えます。光視症かと思ったけれど、頭を動かしたときに部屋の灯りが目の一部に反射して見えるらしく、光視症ではないようです(光視症は、脳の疲れによるもの)。
 視界にはホコリのようなものも浮かんで見えるので、飛蚊症(ひぶんしょう)も併発していますが、キラリと光る筋の方が重大です。
 おそらくは眼球内部の硝子体(しょうしたい・眼球内部を満たしているゼリー)が網膜からはがれかけていて、その縁に光があたったとき、キラリと光って見えるのではと考えられます。
こういう時は、目を使わないのが一番なので、目にティッシュペーパーをあてて視界をふさぎました。そして目の周囲に皮内鍼をとめておきます①。
 たったこれだけのことですが、昨日の夕方には光のキラリは半減していました。
 今朝は、もうなくなっています。
 私のケースから、硝子体剥離を本格的に起こしてしまうと、つぎに網膜裂孔が起こって、おおごとになります。
(硝子体がはがれる事によって網膜が破れる。視野に欠けた部分ができますし、眼球内に出血がおこります ②)
 何ごとも初期段階に手を打てば、大事にならずにすみます。
 眼科へ行って薬を処方してもらったあと、このように皮内鍼をとめておけば、薬だけの場合の半分の期間で治ります。
 目の白い部分の血管が切れて赤くなってしまう症状も、女性はみっともないといって嫌がりますが、これも皮内鍼を使えば三日ほどで消えます。この飛蚊症も、「老化が原因なので、とくに治療はしません」といわれて患者さんは、がっかりしますが、鍼灸なら治療法があります。

 
 
 
 

<私の不得意な膝の治療>2017-07-29

 ニコス堂はどういうわけか膝の患者さんが来ませんでした。患者さんが自分で選んでやってくるのだから、仕方ないのですが、私自身まで膝の治療が不得手なような気分になるのは困りものでした。
それがどうしたわけか、この三ヶ月ほど膝の患者さんばかりが来て、おまけに皆いい結果が出ているので、今度はまんざらでもない気持ちになって、ではそれについて書こうかと思った次第です。

① 39才 男性 ランニングによるオーバーワーク
② 59才 男性 スキーで傷めた古傷
③ 19才 男性 仕事によるオーバーワーク
④ 64才 女性 変形性膝関節症
⑤ 65才 女性 変形性膝関節症+体操
⑥ 51才 女性 半月板損傷(手術は要しない)
⑦ 56才 女性 仕事によるオーバーワーク

 ここで声を大にして言いたいのは、膝の治療だからといって、私は膝に一本だって鍼をしていないのです。というのも、①の体格のいい患者さんの膝関節に鍼をしたところ予想外に腫れてしまい、それ以来、別のところから治す方法を探しました。   
患部に触らないで治すと、ここまで言えば、皆さん少しは鍼の偉大さを分っていただけるでしょうか?
③の19才の青年は痛みに顔をゆがめながら、「膝の骨の間をひろげるなんて、本当にできるんですか・・・」などと失礼なことを言っていましたが、実際に広がったのでお代も頂きました。頭まで下げて帰って行ったので、なかなかの好青年だなと私の評価はがらりと変わり、おかげで自分の現金さにあきれました。
それから急性の股関節痛。これも股関節には一本も鍼をしないで治めています。

① 63才 女性 肉親の介護+仕事の緊張
② 57才 女性 仕事によるオーバーワーク、冷房の冷え
③ 60才 女性 先天性股関節脱臼+椅子に坐る姿勢

 今になって思えば、患者さんに「膝(股関節)に鍼をしないのですか?」と訊かれたことがありません。患者さんは痛みのことで精一杯で、治れば何でもいいのだということがこれで分りますが、私としては少し淋しい気持ちがしているのも事実です。

(写真は員利鍼。根元が太く、先が急激に鋭くなっています。石のように固くなった腰の筋肉などに使える鍼です)

 
 

<今年のGW> 2017-05-08

<肝肥大、脂肪肝>
まずは、ふだん集中して治療できなかった肝肥大の患者さんの治療ができたこと。この患者さんは、肝臓の専門医に、3倍の大きさに肝臓が腫れていると診断されています。腹部からの金細鍼と腰から骨盤内に穿刺する鍼で、ずいぶんと腹部うっ血を改善することができました。言うまでもなく、日常生活がずいぶんと楽になったということです。

<婦人の陰部疼痛>
めったにお目にかかれない症状ですが、私が診たのは二人目。陰部を針で刺されるような痛みがあり、小水は正常なのが特徴です。
これはホルモンの分泌異常だと以前、本で読んでいましたので、肝の経脈に灸をして治しました。
太ももの筋肉まで引きつれて、一人では歩けないほどでしたが、2度の治療で一人でも歩けるようになり、4度目でほぼ普通に歩けるようになりました。
こうした症状があっても、女性患者としては言いにくいものですが、私に治療の機会を与えていただいたことには、本当に感謝しています。

<腰部脊柱管狭窄症>
去年の11月からですので、半年の間、24回の治療をしています。4月頃には、殿部を押しても痛みがなくなっていたので、もう治っているのではと思っていましたが、このGW中にハイキングに行ったところ、ほとんど痛みがなかったということで、喜んでいただけました。
治療者を、半年も黙って信じるということは、難しいことだと思います。治ったことも嬉しいですが、信頼して頂けたということの方が何倍も嬉しく感じました。

<腰椎ヘルニア>
20代の男性の患者さんですが、10回の治療で治りました。これまで、腰のヘルニアなら10回、脊柱管狭窄症なら15~20回の治療だろうという目安をたてていましたが、その通りでした。
ヘルニアも脊柱管狭窄症も、整形外科では治らないと言われますが、実際には、何もしなくても痛みは自然に引いてゆきます。鍼をすれば、痛みが引くまでの期間が半分程度になります。
問題は、患者さんが医師にそう言われることで、絶望してしまうことで、治らないものに対しては患者さんも養生したり、普段の生活に気をつけてくれなくなるのです。こうなっては、絶対に治りません。
立川の某公立病院の医師は、飛び出たヘルニアも引っ込む、ときちんと説明しています。


 

back to toppage