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<ひらめきのある治療とは?>


 

 腰の痛みがいつまでも治らない、五十肩の痛みが長びく、ということが簡単な治療で治ることがあります。整形外科的な治療をやめて、内科的な治療に切換えたときです。「五十肩」という名前が示すように、五十肩は更年期になって起こる症状ですから、肩関節の変形ではなく、更年期症状のひとつと考えると初期のものは1,2回で治ります。

 また「うつ」の患者さんが、「うつ」の治療だけしても改善に時間がかかりすぎる場合があります。こんな時、身体の症状にアプローチすることで、「うつ」自体も改善を始めます。

 股関節痛の原因が偽痛風であると診断され、この痛みは一生治りません、と言われた場合でも、関節の間が少し広がって温まれば、偽痛風の痛みが出なくなるケースもありましたし、膝の痛みのヒアルロン酸注射で治まらないものは、たいてい坐骨神経が突っ張っています。

 病院の医師は、自分の専門領域のなかで原因をさぐり、その原因を根治しようとしますが、その結果、治療の端緒にさえ付けない場合が多々あります。一歩引いた場所から患者さんを見ることで、治療のスタートライン立てるケースがたくさんあるのです。

 鍼灸院の患者さんも、私の病名は○○です、インターネットで調べましたが○○のようです、と言ってお出でになるので、その治療ができることが第一です。しかし鍼灸師というものは、「もしかすると、□□ということではないのか?」と、ピンとくる、風通しのよい頭を持つことが、より大切なのだと思っています。

 専門科とは違った角度から見ることができるのが、鍼灸の強みです。
 現在、鍼灸は慢性化してしまった病気・症状にたいして、緩和的なケアをするだけのものと思われがちですが、決してそうではありません。急性期の症状には急性期の症状を抑えて患者さんを回復に導くように、慢性化したものに対しても道筋を決めて回復の途に着けるように治療を行うのが鍼灸治療です。
 
 そのためには、さまざまな角度から患者さんと病気を見る目を養わなければなりません。そして、いろんな治療ができるように技術を磨いておかねばなりません。
 「体は一つにつながっているんですね」とは、患者さんが驚きをもって常々口にする言葉です。

 

 

 
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