header_nikos
       
 
 
 
 
 
 
 
 
治療日カレンダー料金access
 
難治症・希少症例
 

8. ≪側弯症に対する鍼灸治療

 
 
【患者1】 36才・男性 
【主訴】腰痛
主訴は腰痛ということであるが、患者さんをよく見ると体幹が右に傾いている。     
それにつれて、右肩が上がり、腰も左側が上がっているのである。
話を聞いてみると、腰が痛いので自然にこうした姿勢をとるようになったということであった。
2年前から、風呂から上がってのち、鏡に自分の姿を写してみると、体が傾いていることに気がついていたそうであるが、腰以外の痛さを感じないので、そのままにしていたということ。 
本人よりも、むしろその前から治療に来ていた母親が、体の傾きを心配して、当院の受診を勧めたのである。
 
【治療】脊柱の右側湾症として治療。 
<第1~第5診> 遠方からの来院のため、週1回の治療
当初は右半身を弛めるために、右の後谿-申脈の奇経治療をこころみていた。
しかしながら、期待したほどの効果がないため、両帯脈、患側の中封・下関を取ってみたところ見事に体幹がまっすぐになった。
以後、この取穴を中心に治療を進める。
また右側湾の患者は、右を上に側臥位になり、方を背中に、下肢を前に出すように体をねじると、気持ちよく、また脊柱の矯正ができる。
 
<第6~第10診> 週1回の治療
自宅で背中をねじる運動を行なってもらったところ、第8診の頃から、脊柱がまっすぐに保てるようになった。
仕事が忙しくなると、姿勢も悪化する。
 
<第11~第15診> 2週間に1回の治療
12診の頃から、仕事が忙しくても、姿勢をまっすぐに保てるようになった。
時おり、仙腸関節が痛む。
 
 
 

【患者2】 70才・女性
【主訴】肩こり
肩こりということで来院した患者だったが、この患者さんも脊柱が湾曲している。
S字湾曲で、上から左・右・左と側湾している。
 

【治療】週1回の治療  この患者さんは、10回の治療で腰部の脊柱を除いて、ほぼ真っ直ぐになった。
取穴は、両帯脈と、左中封・下関である。
【患者1】と反対なので、ねじり運動も左上側臥にして、上体を後方に下対を前方にねじると気持ちがよく、側湾も矯正される。


 
 

【患者3】44才・女性
【主訴】急性腰痛
この患者さんは、急性腰痛すなわち「ぎっくり腰」で来院した。
傷めていた筋肉は左の腰深筋であるが、この痛みがなくなり、立って歩くことができるようになっても、体が左に傾いたままであるという。
脊柱側湾症と同様であると判断し、帯脈を取穴。
その結果、体躯はまっすぐになり、痛みもなくなった。


 
 

【患者4】13才・男性
【主訴】膝痛・腰痛
患者さんは男子中学生でサッカーをやっているが、原因不明の膝痛や腰痛が出続けているという。
やせ型で膝が曲がったままだが、それよりも気になるのは体がねじれてしまっていることである。
仰向けに寝ると、左肩・左腰が上がっている。
頭上から見た場合、脊柱が時計回りにねじれているのである。

【治療】
この場合の取穴は、両帯脈と左下関、中封とした。
半年ほどの治療で、体躯のねじれは殆どなくなり、左肩がベッドから少し浮いている程度に改善された。
毎日サッカーの練習で体を運動させているから、治りも早いのだろうと思われるが、膝も伸びて、痛まなくなったということである。
またこの半年の間に全身の筋肉もがっしりして、すっかり逞しい体つきになったことも印象的である。