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難治症・希少症例
 

3. ≪喉の異物感(梅核気)に対する鍼灸治療

 
【患 者】43才・女性
 
第一診 これまでにも、こういうことはあったが、今月の初めに仕事を変って以来、疲れやすく、疲労がたまると、喉の奥、鎖骨の合わせ目のあたりに何かつまった感じがしはじめる。以上が患者の主訴であるが、詳しく訊ねてみると、苛々しやすく、また常に頚・肩に凝りを感じるという。
気の上衝による上実下虚状態と考え、下焦に気を引き下げる治療で改善するものと診る。 
(脈)沈・細・薔 照海を取る。(腹)左曲沢
(標)仰向けの姿勢で、右中、中渚を取り、次にうつ伏せの姿勢で、委中・飛陽・崑崙に置鍼。大杼、天柱、肩井、脾兪を取る。
治療後は、喉の違和感は半分ほど楽になったという。また、身体が全体的に軽くなったとのこと。梅核気は、もっとしつこいものだと聞いていたが、これは案外軽いものと察しをつけて、精神ストレスが主な原因だろうと説明する。一週間後に再び治療することとして、この日は終了。
 

第二診 前回は、一週間後と約束したが、予定変更して四日後に来院。まだ、肩の凝りはひどいが、喉の異物感はずいぶん楽になったとのこと。膝頭がいつも寒く感じると言う。
(脈)ほぼ平 足の冷え、すなわち陽気を補うために、三里・曲池に置鍼。
(標)目窓、照海、兪府、膏肓、肩井、天柱、肝兪、飛陽、崑崙
前回に比べて、背中が全体にゆるんで、ふっくらてしている。

第三診 一週間後に来院。以前として、夕方になると喉の奥に何かつまった感じがし出す。
(治療)本日は肩甲間部をよく緩めるように治療。右中を指圧すると、咳が出始めるので、右の照海に丁寧に鍼をする。

第四診 十日後に来院。この日来院するまで、加味逍遙散を服用していたが、それも手伝ってか、喉の異物感の再発はなかった、とのこと(半夏厚朴湯では、だめだったという)。
(治療)この日は、右肝兪の拘結をよくほぐすように治療。